はじめに

コーヒーの酸味はどんな成分からもたらされるものなのか？というのが今回のテーマです。

酸味と言っても人によって捉え方が様々です。酸味が好きな人もいますし、嫌いな人もいます。最近は浅煎りのコーヒーを提供しているお店も増えてきています。

酸味ってそもそも何なんだろう？という素朴な所から始めたいと思います。

３０種類以上の酸が関係している

コーヒーの酸味は多くの化合物からもたらされます。その数は３０種類以上と言われています。それらのうち、多くが有機酸ですが、無機酸も少し含まれています。代表的なものをあげると、

　クエン酸　酢酸　リンゴ酸　キナ酸　クロロゲン酸　ギ酸　乳酸　カフェ酸　

　リン酸　コハク酸　プロピオン酸　グリコール酸　フェルラ酸

　

などがあります。中でもクエン酸　酢酸　リンゴ酸は私たちが感じる酸味に大きく関係しています。酸の中でコーヒーの焙煎豆の成分に最も多く含まれるのがキナ酸ですが、酸味にはそこまで強く影響していないとする意見もあります。

果実の熟度

未熟な果実を使った豆はクエン酸の濃度が高くなります。クエン酸は強い酸味があるので未熟な果実を含んだ豆は強い酸味になることが予想されます。完熟の果実を使って出来たコーヒーが品質が良いのはこのことも関係していると思います。

生産処理

コーヒーの生産処理によっても酸の量が変化するものがあります。水洗式（ウォッシュト）の場合、ミューシレージに含まれる微生物が糖を消費して酢酸やその他の化合物を生成することが分かっています。また乾燥式（ナチュラル）の豆にはリン酸塩の濃度が高いことが知られています。

焙煎による変化

酸の多くは生豆の状態で含まれていますが、焙煎による化学反応で増えるものと減るものがあります。例えばクエン酸やリンゴ酸は焙煎後に半分以下に減るのに対し、キナ酸や酢酸は2倍以上に増えます。分解されて他の化合物に変化している、ということらしいです。

さいごに

酸味と一口に言っても多くの化合物があり、それらが複合的に作用していると考えてもらったらいいかと思います。果実の収穫から生産処理、焙煎と全ての工程が酸味に関係していることがわかるかと思います。

生化学の世界になるので難しいテーマですが、もし興味のある方は是非自分で学んでみてはいかがでしょうか？私ももっと勉強したいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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【参考文献 】

■コーヒー コンサルタント 長谷川雄一

https://ameblo.jp/haseyuu77/entry-10763127333.html

■KUBOGEN

https://kubogen.com/life-coffee-007/

■百珈苑

https://sites.google.com/site/coffeetambe/coffeescience/physiology/coffeetaste/acidity/compounds

■coffeechemistry.com

https://www.coffeechemistry.com/chemistry/acids/quinic-acid